X線管とは何ですか?

X線管とは何ですか?

X線管とは何ですか?

X 線管は高電圧で動作する真空ダイオードです。
X線管は、電子をターゲットに照射する陽極と、電子をフィラメントから放出する陰極の2つの電極で構成されています。両極は高真空ガラスまたはセラミック製のハウジングに封入されています。

X線管の電源部には、フィラメントを加熱するための低電圧電源と、両極に高電圧を印加するための高電圧発生器が少なくとも1つずつ含まれています。タングステン線に電子雲を生成するのに十分な電流を流し、陽極と陰極の間に十分な電圧(キロボルト単位)を印加すると、電子雲は陽極に向かって引き寄せられます。このとき、電子は高エネルギー・高速状態でタングステンターゲットに衝突します。高速電子はターゲット表面に到達すると、その動きは突然停止します。その運動エネルギーのごく一部が放射線エネルギーに変換され、X線の形で放出されます。この形で発生する放射線は制動放射線と呼ばれます。

フィラメント電流を変化させると、フィラメントの温度と放出電子量が変化し、管電流とX線強度が変化します。X線管の励起電位を変化させたり、ターゲットを変更したりすることで、入射X線のエネルギーや、異なるエネルギーにおける強度を変化させることができます。高エネルギー電子の照射により、X線管は高温で動作するため、陽極ターゲットの強制冷却が必要となります。

X線管はX線発生のエネルギー効率が非常に低いものの、現在でも最も実用的なX線発生装置であり、X線機器に広く利用されています。現在、医療用途は主に診断用X線管と治療用X線管に分けられます。


投稿日時: 2022年8月5日